前章では、数学者の仕事をアルゴリズムとプログラムにわけ、古代エジプ ト、バビロニアあたりを源流とする、計算の効率化にかかわるアルゴリズム を現代コンピュータでプログラムを実行てみた。
それによって、数学者の考案したアルゴリズムの強力さを知った。
この映画とアルゴリズムの章では、ヒット作品を生み出す要素には何々があるの か、それは果してアルゴリズムで表現できるのだろうか、と言ったことを考 える。
アリストテレスのエパゴーゲー は帰納のことであ る。英語ではインダクション(induction)、Inductive reasoning、すなわ ち「帰納的推論」である。
推論には帰納的推論と演繹的推論がある。それぞれを図式化したものを 下記のリンクに示す。
Epagogixというその会社の名前 を覚えるのが(日本人には特に)難しい名 前の企業がある。2004年のことだが、この会社が大手映画会社の依頼を受 け9本の未公開映画作品の脚本をアルゴリズムにより分析した。どのよう なアルゴリズムを利用したのだろうか。そのヒントを探るためにEpagogix 社のホームページを覗いてみよう。
Epagogixのホームページには、ギリシヤの哲学者アリストテレスの言葉 が引用されている。英文だが引用しておく。
"EPAGOGUE is the path that leads from experience to knowledge.
Examples are particular experiences. Aristotle's 'epagogic' pedagogy
is a form of teaching which proceeds from examples to an understanding
of causes, as in science, which is always a knowledge of the universal"
Charles Hummel: "Aristotle (384-322 B.C.)."
Epagogix社によれば、アルゴリズムが、超大作の映画について興業収入 を予測したらしい。しかも超大作9本のう ち6本は予測があたっていたという。この事実でEpagogixは映画制作に欠かせない 企業という地位を得た。特に巨額の資本を投下する超大作映画には必要だと いうことになり大手映画会社はEpagogixを信頼しているという。
業界では、誰も全てをわかっているわけでもなく、誰も責任を取れない ということかもしれない。
メジャーと呼ばれる映画制作会社は6つある。「ユニバーサル」、「ディ ズニー」、「ワーナー」、「20世紀フォックス」、「コロンビア」、「パラマウ ント」。このうちディズニー、ワーナー、ユニバーサルがサン・フェルナン ド・バレーにあり、パラマウント、20世紀フォックス、コロンビア映画が ハリウッドとウエストサイドに位置している。

1912年創立、オーナーはコムキャスト
1923年創立
1923年創立、オーナーはタイム ワーナー

1935年創立、オーナーは21世紀フォックス

1924年創立、オーナーはソニー

1912年創立、オーナーはバイアコム
(*)各映画会社のロゴは、ウィキペディアにリンクしている。
ライオンの咆哮で映画がはじまる、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーがメジャー にはいっていた時代もあった。が、現在はメジャーからはずれて上の6社になっている。
各映画会社のヒット作品と年代を列挙してみよう。
ダークナイト3部作は、 「Batman Begins (2005)」にはじまり、 「The Dark Knight (2008)」に続いて、 最後は「The Dark Knight Rises (2012)」で完結している。
監督は、クリストファー・ノーランである。
ワーナーブラザーズは、はじめJoss Whedonが持ち込んだ「Batman Begins」 の脚本を却下し、あらたな脚本のた めにクリストファー・ノーランとデヴィッド・ゴイヤーを雇った。
それぞれ400字程度でまとめる。
カタカナ、英語どちらでもかまわない。
Wolframalpha.com を使う。例えば、「Bat man begins box office」で検索し てみる。Googleのシンプルな検索だけでなく、数量的な分析結果とグラフが 得られる。
誰もが聞き慣れてしまい無反応になりそうな金融危機、その象徴ともい える米国投資銀行リーマン・ブラザーズの倒産。いわゆるリーマン・ショッ クについて、米国で製作されたドキュメンタリー映画を観る。
資料は、IMDbなどを参考にする。
映画のナレーターは、マット・デイモンである。
日本のアニメ市場について考えてみる。売り上げは海外でも伸びている かだろうか?メガヒットは?